LEDビジョンとは
赤・緑・青のLED素子を並べたパネルを組み合わせ、一枚の大画面を作る映像設備です。液晶モニターのような固定サイズではなく、会場に合わせて横長、縦長、正方形、分割配置などを構成できます。
自発光するため、照明のある会場や日中の屋外でも視認性を確保しやすい。
パネルを連結し、ステージ幅や観客数に合わせた画面サイズを作れる。
床置き、自立トラス、吊りなど現場に合わせて構成できる。固定設備は別ページで扱います。
ライブカメラ、演出映像、広告、案内、協賛ロゴを時間帯で切り替えられる。
LEDパネル同士の継ぎ目、色調整、信号設計、電源負荷、支持構造が仕上がりを左右します。パネルの数字だけでなく施工品質が重要です。
視認距離とピクセルピッチ
ピクセルピッチとはLED素子同士の中心間距離です。数字が小さいほど近くで見てもドットが目立ちにくく、精細に見えます。観客が遠い会場で必要以上に細かなピッチを選んでも、見え方の差が小さく、費用だけが上がる場合があります。
最短視認距離(m) ≒ ピクセルピッチ(mm)
例:P3.9なら約4m以遠が一つの目安。文字量、映像、視力、明るさで変わります。| 想定する最短距離 | ピッチの検討例 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 2〜3m | P2.6 屋内用 | 展示会、配信背景、店舗、近距離プレゼン |
| 4〜6m | P3.9 屋外屋内兼用 | ライブハウス、企業イベント、中規模ステージ |
| 6〜10m | P4.81 屋外屋内兼用 | 屋外イベント、フェス、スポーツ |
| 10m以上 | 会場と内容から選定 | アリーナ、大型式典、街頭ビジョン |
距離からピッチを確認
P3.9 屋外屋内兼用から検討
概算選定です。最終的には映像内容・カメラ撮影・予算で決定します。画面サイズは「一番後ろの人」から逆算
最前列だけでなく、最後列から重要な文字と人物の表情が見えるかを考えます。映像が演出中心なら横長の大画面、講演資料なら文字サイズと画面高さ、ライブカメラなら人物のアップが十分な大きさになることが重要です。
3×2m、4×2.5mなど。展示会や小規模イベントの情報表示に。
5×3m、8×4.5mなど。企業イベントやライブ会場に。
8×4.5m、10×5.5m以上。大型ステージや屋外催事に。
メイン画面に加え、サイド画面や中継画面の増設も検討。
上記は構成検討例です。文字情報は、映像演出より大きな画面・大きな文字が必要です。
LEDとプロジェクターの違い
| 比較項目 | LEDビジョン | プロジェクター |
|---|---|---|
| 明るい会場・屋外 | 自発光で視認性を確保しやすい | 外光の影響を受けやすい |
| 大画面 | パネル追加で拡張しやすい | 投写距離とレンズ、明るさに制約 |
| 人の影 | 画面前を人が通っても投写影が出ない | 投写経路を横切ると影が出る場合がある |
| 暗室での映像 | 高コントラストで鮮明 | 滑らかで自然な映像を作りやすい |
| 設置スペース | 画面本体と支持構造が必要 | 投写距離または吊り位置が必要 |
| 形状 | 縦長、帯状、分割など自由度が高い | 壁面や立体物への投影演出が得意 |
| 重量・電源 | 重量と消費電力が比較的大きい | 同規模なら軽量・省電力の場合がある |
| 費用 | 明るさ・規模・ピッチで変動 | 暗転可能な屋内では安価な場合がある |
LEDがおすすめ
- 日中の屋外、照明を落とせない会場
- 観客数が多く、遠方まで見せたい
- ステージ上で演者が画面前を動く
- 横長・縦長・分割配置にしたい
プロジェクターも有力
- 暗転できる会議室・ホール
- 小規模で予算を抑えたい
- 投写距離を十分に確保できる
- 壁面や立体物へ投影したい
LEDがイベントにもたらす効果
LEDを置くだけで売上や来場者数が増えるとは限りません。効果が生まれるのは、映像の役割を設計し、来場者行動と結びつけたときです。「誰に、どこで、何をしてほしいか」から画面位置とサイズを考えます。
後方客の体験を揃える
ライブカメラで演者の表情を届け、前方と後方の体験差を小さくします。
協賛価値を作る
協賛ロゴやCMを表示。表示回数や時間を記録し、スポンサーへの実施報告に活用できます。
回遊と購買を促す
タイムテーブル、物販、飲食、別会場の案内を表示し、販売機会の損失低減を狙います。
SNS投稿の背景になる
イベント名やキービジュアルを大きく表示し、写真・動画にブランドが写る状況を作れます。
転換時間をコンテンツ化
待ち時間に出演者情報、次の演目、CM、注意事項を表示します。
安全情報を即時共有
天候、避難、迷子、交通案内などを広範囲へ同時表示できます。
効果測定に使えるKPI
経済効果はイベント規模、コンテンツ、導線、天候などで変わります。LED単体の効果と断定せず、導入前後のKPIで検証することが重要です。
輝度と屋内・屋外
輝度は明るさを示す指標で、nit(cd/㎡)で表します。屋内でも窓際は外光が強く、屋外でも夜間は明るすぎると眩しくなります。最大輝度だけでなく、現場で適切に調光できることが大切です。
- 屋内:照明、窓、撮影カメラとの相性を確認
- 半屋外:時間帯による直射日光と反射を確認
- 屋外:日中視認性、防水、排熱、風荷重を確認
- 夜間:周辺環境への眩しさと運用条件を確認
電源は最大負荷から計画
LEDは映像の明るさで消費電力が変動します。白画面は負荷が大きくなるため、平均消費電力だけで配電すると余裕が不足する場合があります。画面面積、パネル仕様、プロセッサー、周辺機器を合算し、系統分けと安全率を考慮します。
az.onは自社電気工事士、発電機、配電機材を活用し、会場電源が不足する場合も含めて計画します。
大画面ほど「大きな文字・短い言葉」
高解像度の素材でも、遠くから読めない小さな文字では機能しません。文字量を絞り、重要情報を大きく、十分な表示時間を確保します。カメラ映像は人物のアップ、案内は高いコントラスト、協賛ロゴは余白と表示秒数を整えます。
短い見出し、大きな文字、明暗差、セーフエリア、16:9基準の素材。
細い書体、小さな注釈、低コントラスト、画面端の重要情報。
映像より先に、荷重・風・避難導線
大型LEDは重量物です。屋外では風を受ける面積も大きくなります。設置面、トラス、吊り点、ウエイト、アンカー、風速管理、電源、防水、避難導線、作業時間を事前確認します。